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店主のブログです。

Precision Oiler


Microlon Precision Oiler

 マイクロロン・プレシジョンオイラーのご紹介です。
 フッ素樹脂を有効成分とする金属表面処理剤マイクロロン。
 マイクロロンを使った金属表面処理を行う事によって、摩擦抵抗が減り、金属部品同士の摺動をスムーズにします。
 これにより、部品の寿命が長くなったり,構成部品の動きが滑らかになったりします。

 金属の表面は、一見平らに見えますが,顕微鏡で見ると無数の山谷が有ります。
 この谷になる部分にマイクロロン樹脂が入り込みより平らな面を作ります。マイクロロンで処理された金属面同士はより平らな面同士が合わさる事になり,滑らかな動きを作り出す事が出来るようになります。

 ガラスの撥水コーティングも同じようなイメージですね。

 それでは、今回も画像と一緒に使い方を見て行きましょう。
 で、何をするかと言うと釣りのリールを使って作業してみましょう。
 店主愛用のABU アンバサダー4600をメンテナンスしてみます。

準備

 先ずは,処理を施したい物と(リールです、店主の趣味丸出しです。)メンテナンスに必要な工具を用意して下さい。
 画像には有りませんが,ウエスも用意しておくと良いですね。

工具とドライヤー、ウエスも忘れずに
工具とドライヤー、ウエスも忘れずに

処理

 マイクロロンの処理の手順は
 洗浄(脱脂)→予熱→処理(手差し)→乾燥
 となります。

 プレシジョンオイラーもマイクロロン製品の一つですので,この手順に則って処理して頂ければOKです。
 処理を行う部品に付いた汚れや油分を落としてからドライヤー等であぶって部品に熱を加えてあげます。
 その後、プレシジョンオイラーを手差しで塗り、余計な油分を拭き取って自然乾燥します。

Let's Go !

 それでは、準備も整いましたので作業開始です。

撹拌 ! 撹拌 !

 先ず始めに行う大切な作業です。
 それは撹拌です !
 使う前のプレシジョンオイラーは、マイクロロン樹脂が容器の下に沈殿していますので、良く振って撹拌して下さい。これを忘れてしまいますと,ただオイルを差して終わりになってしまいます。
 

沈殿しているのが解ります。
沈殿しているのが解ります。

振ります !
振ります !

白濁して上手く混ざりました。
白濁して上手く混ざりました。

 店主の製品は何度も使って中身が減っているので、頑張って振っていると上手くオイルと樹脂が混ざってくれるのですが,新品の状態では振っても上手く混ざってくれません。
 まず、容器を逆さまにして樹脂がオイルの中を動く状況を作り出して下さい。
 逆さまにしたまま置いておきますと、樹脂が下に溜まります(容器のノズル側になりますね)。
 この状態になったら、また逆さまにして(元の向きですね)容器の中の樹脂を移動させます。
 これを根気よく繰り返して頂くと、少しずつ樹脂とオイルが混ざり合ってオイルが白濁して来ます。
 マイクロロン樹脂とオイルが混ざり合って来たら画像のように容器を振ってあげて下さい。
 ここは、兎に角根気よく樹脂とオイルが均一に混ざり合うように振り続けましょう。

洗浄(脱脂)

 ハンドルのついたボディ,スプール、ケースの3つに分割したら、各部についた古い油分を落として下さい。今回は、シャフト、ベアリング、ストリングガイドに処理を行いますのでこれらのパーツについた汚れを落とします。

予熱

 処理を行う金属面(部品)にドライヤーを当てて予熱します。
 熱を与えておく事によって、マイクロロン樹脂が定着し易くなります。

シャフトを暖めます。
シャフトを暖めます。

ベアリングに向けてドライヤーを当てます。
ベアリングに向けてドライヤーを当てます。

処理

 念の為、再びプレシジョンオイラーの容器を振って撹拌してから各部品に手差しします。
 今回はベアリング、シャフトそしてストリングガイドに処理します。


ベアリング
ベアリング

反対側も
反対側も


 リール内部の処理が終わりましたらリールを組み上げます。
 全体に軽くドライヤーを当てて次にストリングガイドに処理をします。
 このタイプのリールはキャストした時にストリングガイドも一緒に動くので大事なポイントかも知れませんね。




乾燥

 プレシジョンオイラーを手差して組み上がったら、スプールを回転させたりハンドルを回してシャフトやベアリングを動かして、樹脂が全体的に広がるようにして下さい。
 後は室温で乾燥させて下さい。
 特別な作業は無く、一晩置いておく事でOKです。
 余分なオイルは予めウエス等で拭き取っておいて下さい。

仕上げ

 さて、今回はルアーフィッシング用のリールを使ってプレシジョンオイラーの使い方(処理の仕方)をご案内して来ました。
 しかし、実はこの後に一番大切な作業が待っています。
 実際にフィールドに行って、沢山キャスティングして下さい。
 それによって、マイクロロン樹脂の定着が早くなります。

 如何ですか ?
 ちょっと、工程が面倒だな。なんて思われた方もいらっしゃるかも知れませんね。
 実は、私も今回ベアリングの洗浄等は省略してしまいました。
 しかし、それでも充分に効果を体感する事が出来ましたので「もっと手軽な方が良いな」と言う方は、ベアリングに手差しするだけでも試してみて下さい。
 実際にこの方法で私自身も、飛距離の伸びを体感する事が出来ました。
 もう一つ、キャストした時に生じるスプールの回転音(主にベアリングの音だと思います)がとても静かになりました。
 飛距離の伸びも大切な要素ですが、それ以外にプレシジョンオイラーで定期的なメンテナンスをして頂く事によってリールの寿命も延びる事と思います。
 気に入った道具は大事に長く使いたいですよね。
 そんな方々に是非お薦めです。 
 

Where to Buy

 通販やカーショップ等で購入も可能ですが,ルアーフィッシングをされる方には千葉県になりますが店頭販売をして頂いているショップさんが有りますので是非、そちらでお求め下さい。
 柏市に有るOPA ! さんでお取り扱い頂いておりますので、お近くの方もそうで無い方も是非一度足をお運び下さい。
 豊富な品揃えで、楽しいお店です。

 HPは
 www.opa-fishon.com
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